賃貸マンションで人気の間取りはどれ？ファミリーに合う選び方を紹介

ファミリーに人気の間取りとは

賃貸マンションにおいて、ファミリー向けとされるのは、一般的に２ＬＤＫ以上で専有面積が６０平方メートル以上の物件です。特に６０平米以上あればファミリーでも居住可能とされ、多くの情報サイトでもその目安が用いられています。

主流の間取りとしては、３ＬＤＫが中心です。広さはおおむね７０～８５平方メートルが目安とされ、居室の数とリビングのバランスがとれているため、子ども１～２人を含む家族におすすめされています。

間取りのレイアウトには、家族が快適に暮らせる工夫が見られます。たとえば、生活動線を短くする設計、リビングを中心にした間取り、収納が十分に確保されている点、そして可変性のある間取り（引き戸で仕切りを変えられるなど）が特徴です。これにより、成長やライフスタイルの変化に応じて対応しやすくなります。

下表は、間取りタイプごとの広さ目安をまとめたものです。

おさえておきたい間取り選びのポイント

ファミリー向けの賃貸マンションを選ぶ際、間取りだけでなく、暮らしやすさを左右する「動線」「収納・可変性」「家賃とのバランス」にも注目することが大切です。

まず、生活の動線を意識した間取りは、家事をしながら子どもを見守りやすくなるという大きなメリットがあります。たとえば、対面式のキッチンや、リビングを中心に配置した間取りでは、家事中でもリビングで遊ぶお子さんの様子がすぐにわかり、安心して過ごせます。

次に、収納や可変スペースの重要性についてです。子どもの成長に伴って必要なスペースは変化しますが、余った部屋や余裕のある収納を活用することで、趣味部屋や仕事部屋として転用することが可能です。たとえば３ＬＤＫは、夫婦の寝室・子ども部屋・趣味・仕事用など柔軟に使える間取りとして人気です。

最後に、居住環境とのバランスですが、間取りや設備に優れていても、家賃が家計を圧迫するようでは暮らしが苦しくなります。特にファミリーでは家賃が手取りの三割以内がひとつの目安とされ、無理のない範囲で間取りとのバランスをとることが必要です。

以下に、これらのポイントをまとめた表をご用意しました。

こうした視点で間取りを選ぶことで、快適な暮らしと家計の両立が叶います。引越しをお考えのご家族には、家事・育児・将来設計に配慮した間取り選びをぜひおすすめいたします。

間取り人気の背景にある居住ニーズと時代の変化

日本のファミリー向け賃貸マンションに求められる間取りは、時代とともに変化しています。まず、昭和期から現在にかけてのファミリー向け間取りの変遷を見てみましょう。

1950～60年代には、団地において「51‑C型」の2DKスタイルが普及していました。居室と食寝分離を実現しつつ、襖を用いた間仕切りが一般的で、広さ・設備ともに控えめでした。 その後、1970年代には3LDKがファミリー世帯に不可欠な間取りとして普及し、居室数の増加とともにリビングを備えた構成が定着しました。 バブル崩壊以降、地価下落も相まって、80平方メートル台や100平方メートルを超える広い間取りの物件も登場し、ゆとりある暮らしを求める傾向が強まりました。

次に、都市部と郊外では、求められる間取りや広さに違いがあります。都市部では地価が高いため、やや狭めでも交通利便を重視する傾向にあり、郊外では比較的広い間取りがリーズナブルに借りられる傾向があります。たとえば、郊外では駐車場つきやゆとりある間取りを低い家賃で確保しやすい一方、通勤・買い物の利便性が都市部に劣る点には注意が必要です。

さらに、近年のライフスタイルの変化も間取り人気に影響しています。リモートワークの普及により、書斎やワークスペースを確保するニーズが高まり、可動間仕切りなどで空間を柔軟に使える設計が注目されています。

賃貸マンションでファミリーに支持される間取りの条件まとめ

以下では、ファミリー向けの賃貸マンション選びに欠かせない間取りのポイントを、信頼のおける情報をもとに整理しました。

まず、間取りの条件を一覧表にまとめます。

これらの条件は、次のような目的で整理しています。

・2LDKはリビング中心で家族の時間を重視したいファミリーに適しており、LDKが広ければ快適な団欒スペースや簡易的な学習・仕事スペースにもなります（LDKは10畳以上）。

・3LDK以上になると、それぞれの家族に個室を与えやすく、プライバシーや成長に応じた使い分けが可能になります。ただし家賃は高くなる傾向があります。

・専有面積については、国土交通省の「住生活基本計画」によれば、4人家族の場合、最低居住面積水準は50㎡、都市型でゆとりを求める場合は95㎡以上が推奨されています。

次に、ファミリーで引っ越しを検討している方が、ご自身に合った間取りを見つける方法をご案内します。

１．家族構成や子どもの年齢に合わせて間取りを選ぶ。幼児期は2LDKでも対応できますが、中学生以上になると3LDK以上で個室を確保することが望ましいです。

２．実際の物件ではLDKの広さや収納の多さ、防音性なども重要です。2LDK＋Sのような可変性のある間取りや収納付きの物件を選ぶと、成長や生活の変化に柔軟に対応できます。

３．今後のライフプランを見据えることも大切です。子どもの独立や夫婦の生活スタイルの変化を想定し、「転居も視野に入れる」「可変性の高い間取りを最初から選ぶ」といった柔軟な視点を持つことが、長く快適に住み続けるための心構えとなります。

まとめ

本記事では、ファミリーでの引越しを考える方に向けて、人気の賃貸マンション間取りについてご紹介しました。賃貸マンション選びでは、広さや部屋数だけでなく、暮らしやすさや将来の変化への対応力が重要です。リビングを中心とした動線や十分な収納、可変性のある間取りが高く支持されています。ご家族それぞれのライフスタイルや今後のライフプランも踏まえて、最適な住まい選びを意識することが、長く快適に過ごすための第一歩となるでしょう。